辨 |
ルイヨウショウマ属 Actaea(類葉升麻 lèiyè shēngmá 屬)については、ルイヨウショウマ属を見よ。
漢名を升麻(ショウマ,shēngmá)、和名をショウマという植物については、Click here! |
キンポウゲ科 Ranunculaceae(毛茛 máogèn 科)の植物については、キンポウゲ科を見よ。 |
訓 |
漢名升麻(ショウマ,shēngmá)は元来は生薬名、「其の葉 麻に似て、其の性 上升す。故に名づく」と(李時珍『本草綱目』)。
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「和名ハ晒菜升麻ニシテ其嫩葉ヲ煮テ水ニ晒シ味ヲ附ケ食フ故斯ク云フ」(『牧野日本植物図鑑』)。 |
『本草和名』升麻に、「和名止利乃阿之久佐、一名宇多加久佐」と。
『延喜式』升麻に、「トリノアシクサ」と。
『倭名類聚抄』升麻に、「和名止里乃阿之久佐、一云宇太加久佐」と。
『大和本草』9 升麻に、「本邦」と。
小野蘭山『本草綱目啓蒙』9(1806)升麻に、「トリノアシグサ延喜式 ウタカグサ和名鈔 アハボ ミズフデ肥後 サラシナ イハダラ越後 イハンタイラ佐州 モクダ同上」と。
ただし、トリノアシグサ(鳥脚草)はトリアシショウマか。アハボは粟穂・ミヅフデは水筆。 |
旧属名 Cimicifuga は、ナンキンムシ cimex を避ける fugo 意で、リンネの命名。植物体の持つ悪臭から。 |
説 |
北海道・本州・四国・九州・朝鮮・遼寧・吉林・黑龍江・河北・陝甘・四川・モンゴリア・極東ロシア・シベリア南部に分布。 |
誌 |
ルイヨウショウマ属の植物の根は、多く薬用に供する。
中国では、ショウマ A.cimicifuga(升麻)・フブキショウマ A.dahurica(興安升麻)・オオミツバショウマ A heracleifolia(大三葉升麻)の根状の茎を升麻(ショウマ,shēngmá)と呼び、薬用にする。『中薬志Ⅰ』pp.73-81。また、オオバショウマ A. japonica(小升麻)・サラシナショウマ A. simplex(單穗升麻)の根も、薬用にする。
日本では、生薬ショウマは フブキショウマ、オオミツバショウマ、ショウマ又はサラシナショウマの根茎である(第十八改正日本薬局方)。 |